三河三谷と言うと、温泉街、そして、廃墟サイトの定番だった巨大廃墟ホテル「蒲郡ふきぬき観光ホテル」のイメージが強いのではないでしょうか。
もっとも、今はそのふきぬきも解体されてしまい、ホテル名を刻んだ石看板が残るだけになってしまいました。
そのふきぬきの近くには、かつてロープウェーの駅があり、プラネタリウム(年度不詳の地図ではプロネタリウムと表記)がありました。
そのプラネタリウムが閉鎖後、大秘殿という秘宝館のようなものになり、今はその大秘殿も廃墟になっています。
そんなこんなで、ちょっとさびしげな三谷の町ですが、ひとたび南に目を転じればそこには昔日と変わらずにキラキラ光る海がものしずかに広がっており、なぜか安心させられるのでした。
さて、三谷には歓楽荘という特殊カフェーの組合がありました。
赤線の一覧表が掲載されている『愛知県警察史』という本によりますと、歓楽荘は蒲郡歓楽荘、三谷歓楽荘、形原歓楽荘と3ケ所あったように書いてありますが、実際はどうだったのでしょう。
ぼく個人としては、歓楽荘自体はひとつの組合だったのだけれども、あまりに範囲が広すぎるので、管理の都合上警察では三つに分類していたのではないかという仮説を立てています。
下の写真は特殊カフェー『寿美吉』さんだったと思われるお家です。
下の写真に写っている道は往時は川でした。
すぐそばの松葉通り(国道23号線)と交わる処には東橋という橋がありましたが、今は跡形もありません。
この川の左側には『一富士』、『鶴亀』、そして右側には特殊カフェー『志乃夫』がありました。
下の写真は川から少し東に入ったあたり。
道の左側に特殊カフェー『いろは』さんがありました。
近くに、特殊カフェー『稲屋』さんもあったようです。
トップのカラー写真は、貸席『伊奈吉』というお店です。うっすらと「貸」の字が読めますね。
この『伊奈吉』の並びにあるのが下の写真、のこぎり屋根の青柳アパートです。
そう、この屋根でおわかりのように、かつては青柳織物工場という工場でした。
佇まいが素敵な青柳旅館の向かいにある大衆食堂で昼食をいただきました。
以前は、この食堂の裏手の方に検番があったため、芸者さんもこの食堂に食べに来ていたそうですよ。
なお、下の写真は『一楽』さんだったお家です。
三谷の特殊カフェー(一部)
屋号 所在地
玉家 一舗
銀泉 二舗
志乃夫 二舗
稲屋 東前
いろは 東前
寿美吉 東前
寸楽 東前
三谷・行き方
JR東海道本線三河三谷駅下車、駅前通りを南下、国道23号線を左折。徒歩15分ぐらい。
またはJR東海道本線蒲郡駅下車、名鉄東部バス・ラグーナ線で乃木公園口下車。乗車時間は10分ぐらいです(本数が少ないので注意してください)。
参考ウェブサイト:
過去の棲家(更新されている頃は夢中で見ていました。もちろんふきぬきもあります!)
http://kakonosumika.fc2web.com/
under zero(詳しくロープウェーのことが!)
http://underzero.net/html/tz/tz_568_1.htm
はまにーのブログ(青柳旅館さん宿泊のレポがあります)
https://ameblo.jp/hama2189/entry-10718617827.html