鳩の街から15分ぐらい歩くと、東武線のガードにたどり着きます。
ガードをくぐり、無残に切断された「けごん」号を横目にガード沿いを歩くと、東向島駅です。
東向島駅の旧名は玉ノ井駅。
東向島駅と名前を変えたのは昭和63年だそうですが、それから四半世紀が経った今でも、駅の看板には”旧玉ノ井駅”と記されています。
また、ここの駅の庇のアールといい、この地への東武鉄道の愛情を感じます。
東武鉄道のウエブサイトによると、そもそも玉ノ井という地名は、昔、代官がこの地に囲っていた愛妾の名前に由来するそうです。
『ここもそういう家よ』
下の写真の建物は、地元の親切な奥さんが教えてくれました。
事前の情報をほとんど持っていなかっただけに、こういう親切がほんとうにありがたいです。
その奥さんによると、ここ数年でカフェー建築はかなり姿を消してしまったそうです。
『前はたくさんの人が写真を撮りに来てたけど、(建物が減ってしまったので)最近は撮りに来る人も減ったねえ』
そうおっしゃってました。
実際、この地域でも何か所か新築工事が行われていました。
そのうちの何軒かはカフェー建築だったのかもしれません。
参考サイトにあげさせていただいた、北川すずさんという玉の井に住んでいた方(カフェーではなく、一般の民家ですが)の文章によると、家が古すぎて、家の中で寝ていても屋根の隙間から星が見えたことがあるそうです。
外の人間としては残しておいてほしい古い建築物ですが、実際にそこに暮らしている方にとっては、そういうわけにはいかないということを改めて感じました。
上の写真のお店は『スナック プリンス』と書いてありますが、なんと昭和28年頃の地図(前述の北川さんの文章に添付されている地図です)でも、『プリンス』という屋号です。
今は普通のスナックのようなので、ちょっと入ってみたい気もしますね。
上の写真は、北川さんの地図によると、『憩』というお家があったところのようです。
下の写真は『春笑』というお家があったところでしょうか。
玉の井・行き方
東武鉄道東向島駅下車。
ガード沿いを北に向かってあるいて行くといろは通り。
その北側あたりが玉の井です。
参考ウェブサイト:
玉の井いろは通り商店街(この商店街もいい感じです)
http://www.sumida-showren.jp/street/29.html
墨田湯(トタン壁が素敵なお風呂屋さん)
http://www.1010.or.jp/map/item/item-cnt-164
玉の井パラダイス(玉の井で暮らしていた方が書いた、実体験に基づく小説です)
http://www.ganbare-nougyoujin.org/new/report/tamanoi/001.html
(2016年9月26日)