刈谷の赤線、亀豊園は七軒で構成されていたとものの本には書いてあります。
そのうちの一軒と同じ屋号、同じ住所の旅館を写真に収めていたところ、こちらに向かって歩いていらっしゃった上品な女性と目が合いました。
ぼくが挨拶すると、とても優しい感じの挨拶がかえってきました。
この人なら大丈夫かな、と思い切って尋ねます。
『この×××旅館はかつて特飲だった×××さんでしょうか?』
しまった、特飲という言葉は一般的じゃないな、と思いましたが、至極あっさりと、
『そうですよ』との返事。
『この建物は当時のものでしょうか』とぼく。
『いいえ、この建物は昭和34年に、はじめから旅館として新築しましたよ』と女性。
『特飲の時は、下がり松(松坂町)の方にありましたから』。
やけに詳しいな…と思ったぼくの気持ちを見透かしたように、女性がおっしゃいました。
『私、×××の娘です』。
『もう、何もありませんよ』
女性はそう言いながら、特飲時代の×××さんがあった松坂町の場所を教えてくれました。
行って見ましたが、やはり、何もありません。
のどかに川が流れているばかりでした。
昔、刈谷の中心は刈谷市駅のあたりでした。
映画館も三館ありました。
そのうちのひとつ、刈谷映劇と、特飲・友楽があった土地に建っているのが上の写真のマンションだそうです。
なお、友楽さんは不動産屋に転業されたとのことでした。
他のお店では、特飲・初文さんと同名のバー初文というお店が昭和38年の地図では刈谷駅近くに見受けられますが、同じ店が移転したものかどうかは不明です。
トップ画のカラー写真の辺りは、昭和20年代にマーケットがあった場所です。
今にも倒壊しそうな…というより、すでに半壊している建物もあったりします。
鑑札の残っているお店もちらほら。
そんな中にバー白夜があります(この店は特飲では無いと思います。たぶん)。
もともとはバーですが今は喫茶店のようなお店で、モーニングとランチのみの営業です。
『友達しか来ない店』だそうで、新規のお客さんは少ないとのこと。
といっても、一見さんお断りというわけではもちろん無く、立地柄なのか、人が来ないだけのようです。
刈谷散策の際にはぜひ、こちらでランチをいかがでしょう?
おいしかったですよ!
なお、白夜のママは15年前にここに来たそうなので、昔のことはご存じありませんので、念のため。
参考ウェブサイト:
映画館巡り タイムスリップの旅は刈谷映劇からハジマル。(なんと、刈谷映劇が実家の方です)
https://4travel.jp/travelogue/10098173
刈谷浴場(刈谷浴場の内部の写真が!)
http://heartland.geocities.jp/nagoyasento/other/kariya.html
友楽不動産(公式サイトです♪)
http://you-raku.co.jp/
刈谷・八丁南裏辺り・行き方
名鉄三河線刈谷市駅下車。徒歩5分。
又は、JR東海道線刈谷駅下車徒歩15分ていど。
バー白夜・行き方
名鉄三河線刈谷市駅下車。駅前から大通りを北西に進み、刈谷市駅北交差点を右折。
セブンイレブンの看板と保育園の間の細い道を左折してすぐ。徒歩5分程度。