伊勢街道、常磐町。
伊勢街道の宿場町として栄えたのは昔のこと。
今は静かに余生を過ごしているような町、伊勢神戸に来ました。
かつて栄えた町の常として、ここにも遊郭があり、赤線がありました。
伊勢街道。十日市。この通り沿いに妓楼が並んでいた。
赤線があったのは、伊勢街道沿いの十日市(2020.1.1追記:十日市場と混同していましたが、十日市と十日市場は別の場所でした)と常盤町です。
十日市の妓楼は、戦後は5軒でしたが、戦前にはもっとたくさんのお店が並んでいたそうです。
見たわけじゃないけどね、と笑いながら地元の方が教えてくれました。
太輸楼があったあたり。
十日市にあったのは、伊勢方面から見ると、手前から太輸楼(たゆうろう)、大清楼(たいせいろう)、もみじ、村田、油伊(あぶい)です。
油伊には軒灯が今も残る。
十日市で現存しているのは油伊のみで、ここは今も旅館として風格のある佇まいを見せています。
大清楼ともみじがあった場所には大型スーパーができており、もはや跡形もありませんし、太輸楼もかなり前に建て替えられ、村田さんは駐車場になっています。
右の駐車場のところに村田さんがあった。
さて、十日市から伊勢街道を桑名方面に向かいましよう。
橋を渡り、踏切をわたり、しばらく歩いたところに常盤町があります。
こちらにあったお店は3軒。
伊勢街道常磐町の街並み
常磐町にあったのは、伊勢方面から、旭、中舎(なかや)、紙亭です。
こちらも現存しているのは一軒。紙亭のみです。紙亭は明治15年頃の建築であり、油伊同様、風格を漂わせています。加美亭旅館として近年まで営業していましたが、先代が亡くなられて廃業されたそうです。
なお、油伊も紙亭も鈴鹿市の登録地域景観資産のプレートがついています。
下の地図は、地元の人に教えてもらった当時の様子をぼくが地図にしたものです。
もう少し、きれいに地図が作れたらよかったのですが(笑)
十日市の商店。
常磐町の商店。
(2019年12月21日)