伊勢新町のスナック
小さな無人駅、近鉄宮町駅から、南にしばらく歩いたところにある新町通に来ました。
この通りにも、かつては娼家がありました。
民家の前で日向ぼっこをしているおにいさん(以下、日向さんと呼びます)がいらっしゃいましたので、お話を聞かせていただくことにしました。
日向さんによると、新町通りには娼家が3,4軒あったそうです。
ここもそうだよ、と日向さんが日向ぼっこをしていた家の右の家を指差します。
『ここもそうだったんですか!』
目の前にあった娼家跡に思わず、声が大きくなります。
今は、もう建て替えられているのでかげもかたちもありませんが、そこには有福というお店がありました。
伊勢新町通り・有福があったあたり
昔の住宅地図を日向さんに見せると、ここもそう、ここもそう、と次から次へ教えてくれます。
そこに、近くのコンビニから別のおにいさんがでてきました(以下、コンビニさんと言います)。
日向さんが言います。
『コンビニさんの家も遊郭だったやに』
そこで、コンビニさんも話の輪に加わります。
コンビニさんは、古家付きの土地として、その家を購入したのでしょう。その古家は倉庫として使われていたそうです(住宅地図には会社名で記されていました)が、中を見ると明らかに娼家のつくりだったそうです。コンビニさんはそこを取り壊して、今の家を建てたので、もう娼家の名残は全くないのですがね。
ちなみに、そこの屋号は、ふたばだったそうです。
伊勢新町通り・ふたばの隣にも娼家があったという
伊勢新町・娼家があったあたり
しばらく、いろいろお話を聞かせてもらってからおふたりと別れ、先程地図を見ながら教えてもらった店を回ります。
日向さんによると、上の写真の2軒のうち、どちらかは、昔は娼家だったとか。
下の写真の家ももとは娼家だったとのことです。
うなりつつ写真を撮っていると、あれ、日向さんが、あちらから歩いて来るじゃありませんか。
伊勢新町
左の建物は紅鶴。こちらの北にも娼家があった。
何でも、日向さんはぼくと別れたあとに、わざわざ知り合いのMさんにこの地域の娼家について聞きに行ってくれたとのこと。
残念ながら、Mさんは留守だったらしく、会えなかったそうですが…
そんなにまでしていただいて…と感謝していると、今度は△△さんのところに行ってみよう、と、ぼくを引っ張るように別の方のお家に連れて行ってくれましたが、残念ながら、そこも留守。
じゃあ、こっちだ、とばかりに向かった□□さんは、幸いご在宅でした。
伊勢新古市園のメインストリート
伊勢新古市園跡
実は、△△さん、□□さんの家があるあたりは新町ではありません。日向さんによると、こちらの通りは新古市。
そう、新古市園赤線(遊郭)跡です。
新町から通り2本北に上がっただけですが、別の地区なのですね。
昭和13年生まれだという□□さんにも、新しい知識をもらいます。
この駐車場にあったのがさつきさんで、そこが香楽園だったかなあ…
この方も、とても親切に一生懸命思い出しながら、教えてくれました。
伊勢新古市園さつき跡。香楽園は右奥のあたり。
伊勢宮町
下の写真の仲屋旅館は、元はなかやというお店でした。
子供の頃に、こちらで働いている女性に遊んでもらったという方が、教えてくれました。
まだ、思い出の中に新古市園は生きているのです。
伊勢新古市園なかやがあったあたり
新町のスナックビル。電気メーターはほとんど空だった
新古市にほど近い大世古の立体駐車場跡
(2020年11月24日)
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